施工事例
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西宮市 前浜町自治会館
コンテスト受賞作品
耐震(補強)
その他
費用
400 万円
築年数
53 年
物件種別
戸建て(木造2階建て)
面積
施工面積51.3平米
工期
55 日
1階が自治会の運営室となっている地域の集いの場として活用されている建物は、大阪湾に面した地域にあり、南海トラフ地震による津波浸水が2mと想定されています。1階に柱のない広い空間を持つ不安定な構造であるため、地震時の倒壊リスクが懸念されていました。
住民の方々にとって、日常的に集まる場所であるため、「人が集まっているときに建物が倒壊したり、津波が押し寄せたらどうなるのか」という不安が大きくあり、以前コープ住宅を利用したことがある自治会役員の方からご相談をいただいたのが工事のきっかけとなりました。
運営主体が法人格を持たないため、行政からの補助金を受けることができず、限られた運営費の中での改修が必要となりました。
他社からの見積もりでは、設計費だけで百万円を超える提示があり、現実的な実施が難しい状況でした。
そこで精密診断の範囲で計画できる木材による方杖(ほうづえ)補強による価格を抑えたご提案をいたしました。
担当者からのコメント
◆ 設計のポイント:コストを抑えつつ、視覚的にも安心感のもてるデザイン
大きな空間は鉄骨の補強梁のみで、水平応力がほぼない状態でした。そこで、設計では複雑な構造変更を避け、木材による方杖補強を採用しました。
◆ 命を守るための最小限の備え
この改修は、見た目を変えることよりも「命を守る」ことを最優先に行われました。
限られた条件の中でも、木材を露出させながら構造を工夫し、安全性と実現性の両立を図った取り組みです。
地域の力で建物の安全を守り続ける、象徴的な事例となりました。
◆ 住民とともに進めた改修工事
2階部分では一般住宅と同様の耐震補強を行い、工事中には地域住民を対象とした見学会を開催しました。
現場を見てもらうことで、住民自身が自宅の耐震化について考えるきっかけとなり、防災意識の向上にもつながりました。