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2016.04.25

〔コラム〕丸の内駅舎『覆輪目地』に見る、100年前の左官技術

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昨年、久しぶりに東京に行ってきました。
そこで、2012年に復原工事が完了した『東京駅丸の内駅舎』を見てきました。

丸の内駅舎は昔から、「赤レンガの駅舎」として有名です。

改修工事の中で、この赤レンガの復元を担当したのは、皆さまもご存じのLIXIL(リクシル)社でした。
復元にあたっては、赤レンガの色合いの再現のために赤土探しから始まって焼成に至るまで、大変困難な作業であったといいます。

☆参考:LIXIL社のホームページ内【東京駅丸の内駅舎復原にみる「タイルの原点」】のページより

めずらしい『覆輪目地』(ふくりんめじ)のご紹介

再現された赤レンガの素晴らしさもさることながら、ここでは最近では まず見ることがないという「覆輪目地」(ふくりんめじ)を紹介したいと思います。

「目地」(めじ)とは、レンガとレンガの継ぎ目の部分のことです。
私たちが普段よく目にする目地というのは、レンガとレンガの間にちょっと引っ込んで、平らに押えられたものがほとんどです。

ところが、「覆輪目地」は平らではなく、断面で見るとかまぼこ型にふくらんでいます。
非常に手間もかかるし、高度な左官技術です。
でも、このふくらんだ目地のおかげで、見た目はやさしく、建物の印象もどことなく柔らかくなるのです。

100年前(大正時代)のこの技術を再現するために、改修工事では、目地を押える鏝(こて)を復元することから始めたそうです。

均質化・工業化された現代建築ばかりを見ていると、ときどき寂しく味気なく感じることもありますが、
このように職人の手作業によって丁寧に造られたものを見ると、「いい仕事してるな~」と素直に感動すると同時に、そんな仕事に憧れるような気持ちにもさせられました。

覆輪目地のような(すたれつつあった)昔からの技術が、こういった改修・復旧作業を機会として 今後も継承されていくことになったという運びは、本当に素晴らしいことです。

皆さまも東京に行かれることがあれば、ぜひ、この「丸の内駅舎」を一度見てきて下さいね。

東部営業所・酒井(康)でした。

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